日本会議安倍政権のダミーとしてのアベノミクス

  一 公明党山口那津男代表の虚しい姿とおどおどした安倍首相

 参議院議院選挙運動を奉じているテレビニュースで、公明党山口那津男代表がかすれた声で演説している姿が映っていた。「与党として、経済を安定させ、アベノミクスを推進して……」と言っているようだった。「デフレ脱却」と言っていたように思う。安倍晋三自民党総裁は「アベノミクスは失敗してはいないけれども、道半ばである。 前進するか、後退するか」と繰り返している。予定していた消費税の増税を出来なかったこと自体が失策の一つの帰結であることは、みんなが知っていることである。
 失業率が減った、求人が増えた、とアベは成果を訴える。しかしGDPが増えない。テレビを観ていたら名前をよく知らないコメンテーターが「多くの団塊世代が退いて確かに人は足りないのです。だから求人も増えて雇用も増えている、しかし、生産水準は以前に戻らない」と教えてくれた。
 伊勢志摩サミットでは、アベは世界の首脳の前で、リーマン危機前夜だと纏めようとして、増税延期の理屈づけのごまかしをしようとして恥を晒した。こんな出鱈目が通じると思う愚かな総理大臣、破廉恥な総理大臣を掲げていることに、「恥の文化」人である日本国民は恥ずかしいと思わないのかな。
 これほど愚かな総理大臣がのうのうとして意気軒昂なのはどういうことなのだろうかととも思う。でもアベ本人は結構ぎりぎりなのかもしれない。
 民進党辻元清美議員に質問を受けているとき、人に話かけたり、うろついたり落ち着いて人の話が聞けない。質問を受けているのが自分だと分かっているのだから、しっかり聞くのが義務であり礼儀で、幼稚園時代からしつけられる筈である。しかし、その初歩の礼儀が出来ないのである。
 辻元議員が、アベのあまりの行儀の悪さに、「どっしりと構えて方がいいですよ」と窘めた。「落ち着いて聞いとかんかいや!」と言ってやってもよいようなもんだ。あげく、辻元議員に質問を待つのに耐えきれなくなったアベは「早く、質問しろよ!」と無礼を働いた。回答のカンペを作成してもらって用意していても落ち着かないのである。
 山口那津男公明党代表のかすれ声の熱弁がなぜ痛々しいのか。山口は、わざわざ「与党」と自称している。われわれも本当の与党のような気がしない、山口自身が自分たちは「与党」なんだと言い聞かせているようだからである。公明党自民党折伏されたよう屈していった過程は、政教分離を野中らに追求された結果であることを野中は語っている。
 山口が自分たちは「与党」であると繰り返すには、野中らに攻められた恐れを決して忘れていませんと言っているようである。
 さらに痛々しいのは山口が、信じもしていない「アベノミクス」を一所懸命に連呼しているからである。信じるも信じないも、中小企業はにっちもさっちも行かない狀態であることを、もし山口が普通の創価学会の会員と接觸しておれば判る筈であり、それが判らない振りをするのは、そう阿呆でもない山口にはストレスだと思うからである。

二 日本会議の戦略と安倍晋三首相

 安倍内閣の副総理で財務大臣麻生太郎は今も「アベノミクス」を象徴的政策として唱えているようである。安倍総理も「アベノミクスは道半ばだ、前進か、それとも後退か」とバカの繰り返しをし、公明党の山口代表も、敗れた旗を振り回している。
 岡田克也民進党代表などは、もうアベノミクスの失策であることは明らかだと、ネガティブキャンペーンとしてしか使いようが無いと思っているようである。
 焦点は、憲法改正で、発議の3分の2議席を問題にしている。自民・公明は、なんとか焦点をずらそうとしているようである。
 もともと公明党の党是は平和であった筈である。それがいかがわしい、特定秘密保護法に同意を強制され、安保関連法で集団的自衛権の同意させられて、建党の趣旨はぼろぼろである。公明党山口那津男北側一雄などが本来の論理的に考える力を今も保持していたら、どんな心境なのだろうか。
 山口那津男代表が金融緩和にすぎないものを「アベノミクス」などとまるで魔法の呪文のように唱えているのは、安倍政権の本当の主張は経済政策としてのアベノミクスなどではなく、政治主張だったのである。ところが、「立法府の首長であります首相の私」などのような言い方をしばしば発する粗雑な頭の人間が強引な法案を提出・強行するのである。それはあまりに乱暴なので、反対派も虚を突かれる思いである。実際、戦前・戦中の軍部出身の政治家でもしなかったと思われる。史上最低の総理大臣と思われても仕方がないであろう。
 この強引さは何だろうか、と思って居たら、菅野完著『日本会議の研究』(扶桑社)が出た。
 変な日本民族主義派の人たちが、それとなく多いと思ってはいたが、安倍総理が馴れない経済理論をしたり顔で喋っているのは、実は日本会議のプランを喋っていることを上手くつつみ隠す効用もあったようである。
 伊藤哲夫日本製作研究センター代表、「安倍政権の生みの親」と言われているらしい。「生長の家」の元幹部だということである。なぜ、「元」幹部なのかというと、新宗教生長の家」は政治運動をしないことになり、谷口雅春の「生命の實相」をバイブルのように掲げ、明治憲法への回帰を願っていた民族主義政治運動とは決別し、日本会議を構成している人たちは、いはば「生長の家原理主義グループとでもいうべき人々のようなのである。その中心人物の一人が伊藤哲夫だそうである。
 安保法制審議をしている国会で政府が呼んだ参考人憲法学者三人がいずれも、集団的自衛権について日本国憲法合憲については否定的であった。そこまで合憲性を否定されたら、普通の感覚なら審議を止めるだろう。おまけに、山口も北側も弁護士である。谷垣も弁護士である。特にリベラルというわけでもない学者が違憲としか考えられないと言うのである。 辻元清美衆院議員から「(集団的自衛権が合憲とする憲法学者が)こーんなにいる、と示せなければ法案は撤回した方がいい」と指摘さた菅義偉官房長官は、長尾一紘中央大名譽教授・百地章日本第教授・西修駒沢大名誉教授の三名を挙げた。菅が『集団的自衛権を合憲とする学者はたくさんいる」と繰り返し首長してきたのに三名だけだったことに、たった三名か、という印象だったが、その三名に共通するものがあるという。日本会議は、フロント団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を通じて1000万筆を目指して、全国的那署名活動を展開しており、各地の地法議会で「早期の憲法改正を求める意見書」を採択させる運動を展開している。またもう一つのフロント団体が「『二十一世紀の日本と憲法有識者懇談会」(民間憲法臨調)で、日本会議はここを通じて、各界の識者や政治家を招聘して、「憲法フォーラム」と題するパネルディスカッションを全国各地で展開したり、2015年の憲法記念日には,砂防会館に約900人の聴衆を集めたシンポジウムを開催し、一刻も早い憲法改正を訴えている。
 菅官房長官が挙げた三名はいずもこの二つのフロント団体の役員なのである(202頁)。