2011-01-01から1年間の記事一覧

関西大学生活協同組合『書評』の惨状② ―『書評』編集委員長吉田永宏に質す

一 木村愚門「山桜の蔭に」(『書評』№121) 『書評』№121(2004/4)に、社会学部教授だとする木村愚門なる人物の「山桜の蔭に」とする文が掲載されている。不快感から、なかなか読み進めない文である。 木村の文は、「少年Aについて、事件直後に学生にたず…

関西大学生活協同組合『書評』の惨状 番外② ― 谷沢永一の「文芸評論研究」(とくに鴎外)についての論評……渡部晋太郎「図書館資料紹介」に関連して…

さきに見た山口昌男対談集『知のルビコンを越えて』(人文書院1987)にある谷沢永一は、とても研究者とはいえない。「知のルビコン」などという言い方は、なにがしかの専門領域を想定するが故の、ルビコン(境界)という趣旨だろう。谷沢は、入学したての学…

大塚信一『山口昌男の手紙−文化人類学者と編集者の四十年』(トランスビュー)2007-8 』……「評伝・山口昌男」大塚版

一 もう4年前に出ていた本のようだが、最近、ブログか何かで、本書は、四方田の『先生とわたし』の大塚版だとか「悪口」が出ているのを見るまで知らなかった。また、「60年代、70年代の残党て、メッチャ、キショイんだよっ。」(高山宏)などというのがあっ…

谷沢永一の浅い底、抑鬱の理由  ―関大生協『書評』№136 渡部晋太郎「図書館資料紹介(24)」にふれて思うこと

一 谷沢永一の学問的業績 谷沢が亡くなったのは、今年2011年の3月ことだったようだ。そういえば、新聞で、訃報をみたような気もする、その程度である。それほど、何の感慨もない。5月ごろ、谷沢をしのぶ会のポスターを見たことがある。なぜ今の時期なのかと…

関西大学生活協同組合『書評』の惨状① ― 君は、このおぞましさを直視できるか。

関大生協『書評』の惨状①の内容見出し 一 「ゆらぐ色模様」……過剰な装飾のオカルト風呪文……「先生、できました」と言ってい る、若くない編集者 二 関西大学文学部(国文学)教授田中登の悲惨 ―「私流文庫・新書の楽しみ」のナンセンス― ……正統な古典の読み…

2011年の文化勲章受賞者三谷太一郎は、デマゴーグか、それとも単に惚けただけか。

一 三谷太一郎は何を言っているのか 2011年の文化勲章受章者の一人が三谷太一郎である。2005年に文化功労者だったようである。文科系では、例えば山口昌男が80歳で文化功労者だから、75歳で文化勲章は若いように思う。そう思ってみると、もう一人若いのがい…

久木良太朝日新聞記者・吉田繁実弁護士、素人どころか、………

朝日新聞の久木良太記者とか吉田繁実弁護士は、法的基礎教養については、大いに怪しいが、単なる「素人」ではなく、うさんくさいゴロの類、いわば「玄人」だったとは、知らなかった。なにげなく、インターネットで検索すると、知らなかったことがたくさん出…

吉田繁実弁護士の見当違い、吉田氏、実は素人じゃないのか?

朝日新聞2011月10月5日の34面に 「素人判断批判、見当違い」小沢氏起訴 検察審同席の弁護士 という見出しの記事がある。検察審査会に法的な助言をするために同席した吉田繁実弁護士への取材記事である。 司法制度問題に限らないが、この間の朝日新聞の記事は…

内田樹「ネットで罵倒を見ると生命力が萎える」

web.R25(2011.08.05)に、内田樹が、1日、「自らのブログ『内田樹の研究室』にて『ネット上の発言の劣化について』というエントリーを発表。内田が『ネットに呪詛をき込む人』を糾弾した論説が大きな反響を呼んでいる。」とある。 内田はまず、ネット界で…

年齢不足だった内田樹君、爺ぶらないで ― 極私的関大全共闘番外② 

渡邊君が40年も前の関大時代について語ったインタビューがあったので、それが含れているレポートに言及してしまった(番外①)。 そのとき、書くのは控えたが、そのレポートは、学校の生徒が、村の古老(内田)に昔話を聞にいく光景をが浮かんできた。しかし…

内田樹のとんでもない話……極私的関大全共闘史番外①

一 関大全共闘だった渡邊君に対するインタビューが目に入った。黒田裕子さんの神戸女学院での修士論文「全共闘運動経験者のオーラル・ヒストリー その実践と考察」のものである。phpBB・creating communties、www.tatsuru.com - Seminar「内田ゼミ生によるゼ…

極私的関大全共闘史  (2)

一 「極私的」とは、神津陽著のタイトルを捩ったものだが、書き始める契機は、荒岱介の政治的センスというかナンセンスによる刺激である。荒は、自分が所属していた早稲田の法学部で運動をつくりあげた痕跡は全く無い。早稲田の法学部自治会委員長選挙で、少…

荒岱介と政治・思想 関大全共闘(1)

一 荒岱介が亡くなって、3ヶ月がたった。荒の訃報記事などでは、「共産同の(元)議長」、とか「新左翼のイデオローグ」とあった。共産同というよりは、荒グループ ― といってもブント系では一番存在感があったが、 ―を率いていただけであるし、「新左翼のイ…

いまいち!!桂文珍

毎日新聞(2011/7/30)大阪版夕刊に、桂文珍の独演会についての記事があり、「『数は正義』に笑いで一石」という例によって、毎日流のさむい洒落の見出しがあった。 大阪のお笑い系芸能人、特に吉本所属の芸能人は、三枝以下、橋下徹を芸能人仲間と思ったのか…

荒岱介(日向翔)が亡くなった。

一 5月3日の夜、荒岱介(日向翔)が亡くなったということを5月5日の毎日新聞朝刊で知った。前立腺癌とあった。荒が、病気で、しかも深刻であることは聞いていた。その時は驚いた。それで新聞の訃報欄で荒の名を見たときは、ついにその時を迎えたか、という思…

カンサンジュン(姜尚中)は、惚けたこと言うためのテレビ出演を止めて、勉強しなさい。

2011年6月12日(日)テレビ朝日のニュース・フロンティアで、1970年の赤軍派ハイジャック事件を特集していた。たまたま、テレビ画面をみただけなので、特集の意図は判らない。当時の韓国当局の状態など全く判らなかったこと、例えばKIIAと管制塔の連携などの…

山田太一ドラマ『鳥帰る』

5月8日に、NHKアーカイブスで、田中好子の追悼番組として、山田太一の1996年の作品『鳥帰る』(田中好子・杉浦直樹・香川京子)の再放送があった。 ブランド・ドラマとしての山田太一ドラマは、きちんと台詞が書いてあるそうである。東京や大阪の住人が、鳥…

産官学協同路線

産学協同路線「批判」が、議論の表から消えたのはいつごろからなのか。 今から、40年ほど前は、「産学協同」というのは、確かに、攻撃対象に付けたお札のようなものだった。いつ頃からだろうか、各大学が、争って、「産学協同」を自分の学校の宣伝文句として…

暴走日本…… 2011年の憲法記念日で思ったこと

昨日は、5月3日、つまり憲法記念日である。東日本大震災の復興どころか、原発事故はまだ大変な状態が続いている状況下である。 ただでさえ、戦後憲法の意義への問いかけが低調になっているとき、わけのわからない祝日濫造で、憲法記念日も大型連休に飲み込ま…

スーちゃん(田中好子)のことなど

スーちゃんが、東京成徳高等学校を経て、東京成徳短期大学卒業だというのを見て、ずっと前に、太田政己『恐るべき女子高校―東京成徳短大付属高校の現実』(三一書房1988/9)という本があったのを思い出した。すごいマンモス高校で、オーナーが凄い人だという…

キャンディーズのスーちゃん(女優田中好子)の最後のメッセージ

4月25日、キャンディーズのスーちゃん(女優田中好子)の告別式で、スーちゃん自身の肉声の挨拶があったことを、NHKの東日本大震災報道での過労が、まだ完全には回復していない武田キャスターが7時のニュースで伝えていた。 「こんにちは、みなさん田中好子…

張本勲のいらだちが判らない江川紹子が悪い。 ―心配・江川紹子のライターとしての資質―

江川紹子がサンデーモーニングに出なくなった原因の出来事は、もう一年近く前の話になる。時期遅れもよいところであるが、たまたま、問題の番組の部分をみることがあった。TBSサンデーモーニング2010年5月23日の放送である。張本が、楽天岩隈の「8回途中の」…

楽観的な寺島実郎

4月24日TBS サンデーモーニングで、寺島実郎が、福島原発の深刻事態に関して、「こうしてみると、日本の原発技術は、つくるときにはよいが、事故がおきたときの対処などに、全く対応できないという問題を持っているということが判った……」という趣旨のことを…

追悼 スーちゃん(田中好子さん)

2011年4月21日夜、何の番組か忘れた。元キャンディーズのスーちゃん、田中好子が亡くなったという臨時ニュースのテロップが出た。病気だったことは、キャンディーズの仲間などは、見舞いにも行ったことがあるくらいなので、知っていただろうが、普通のファン…

大阪維新の会、無邪気な恐ろしさ

2011年4月10日、東日本大震災の災害終熄の見通しがでない状況下で行われた統一地方選挙で、大阪維新の会が、大阪府議会で最大勢力になった。この時期、ムードとか人気による動きに水が注されるかとの「期待」とは、反対に、この状況下で、情緒的気分は、さ…

スポーツ・ライター…玉木正之・渡辺直己・二宮清純

東日本大震災の発生とそれに伴う原発事故の終息のみとおしが立たない今、スポーツを自らの生業としている人たちは、とくに苦しい時期だと思う。スポーツは、一面、軍事訓練のゲーム化としてあり得たものだとしても、遊びであり、余暇であってこそ成り立つも…

裁判員裁判の一審判決、控訴審で破棄 ― 販売部数が欲しい「朝日」「毎日」の市民様、煽て殺し

2011年3月29日に東京高裁で、一審東京地裁の裁判員裁判で放火について無罪となった控訴審判決があり、裁判員裁判の無罪判決を破棄、差し戻しの判決があった。 30日の東京高裁では、一審千葉地裁の裁判員裁判で覚醒剤取締法違反被告事件で無罪なった事件につ…

不可解な佐藤福島県知事の「怒り」……東北関東大震災2週間 

東北関東大震災が発生して2週間たった。仮設住宅の建設も始まっているが、被害の全容も十分把握できていない。 やはり被災した福島原発の危機は回避されず、予断がゆるされない情況だという。25日に政府は、半径20キロの外、半径30キロ圏内の屋内待避を呼び…

東日本巨大地震 「日本国の総力」を挙げて立ち向かう「国難」、という言い方

2011年3月11日に東北関東の太平洋側を襲った地震津波は、マグニチュード8.8(9.0に修正)という数字もさることながら、津波の猛威は、この世の終わりかとおもわせるような凄まじさである。さらに、みんなが恐れていた原子力発電所の被災が現実のものとなって…

網野善彦を継ぐ? 中沢新一が??赤坂憲雄が??

2004年に講談社から出版された『網野善彦を継ぐ』は、中沢と赤坂の網野善彦追悼の文を土台にしておこなわれた対談である。赤坂は、「あとがき」で「もとより、網野善彦を継ぐ、といった物言いがまったく不遜なものであることは承知している。」と述べている…