2011 第66回 琵琶湖毎日マラソンのペースメーカー

 2011年3月6日第66回琵琶湖毎日マラソン大会が行われ、マラソン選手としては大柄の堀端選手(旭化成)が2時間9分25秒で3位に入り、世界陸上代表に内定した。
 この大会もそうであるが、ペースメーカーと呼ばれる何人かのランナーが、報酬を得て、走っている。実に奇妙な光景である。かつて、駅伝競走には、伴走がつきものであった。一つのお祭りのようなやり方で、自転車で伴走しながら「いち、に、いち、に」と声をかけていた。それが過剰になって、箱根駅伝でも、伴走する貨物自動車から機械装置でリズムをとるようになっていた。あまりの見苦しさに廃止になった。
 マラソン・レースにとって、ペース配分や、スピードの緩急の按配は、勝敗や記録の大きな要素である。マラソン・ランナーの資質にも当然、そのような配分や按配をすることがどれだけできるかということがある。
 ペース・メーカーとして報酬を得て、その役割を、果たすと消える、何のため?その大会の選手の記録をあげるためなのか。すると、そのレースは、自分自信の判断による駆け引きではなく、同じように走る姿をしながら、記録をあげるためにだけ、登場して、勝負しない者の力を借りてやったことになる。走ったのは、選手だから、その「ペースメーカー」は関係無いというのはおかしい。記録をあげるために報酬を出して投入したのだから。関係なければ、無駄金だ。そのようにして出された記録は、どうなのだろう。
 このようなことは、オリンピックでは行われない。世界選手権でもまさかしないだろう。とすると、その選考レースに、ペースメーカーをつかうのもおかしいことにならないか。
 練習で、スピード感覚を養うために、ペースメーカーをつかうのは、することであろうが、テレビの視聴者、競技を志す少年少女も含めて、全国の多くの人々が注目するレースである。話題になるような記録が出る大会でないとスポンサーが付かないのか知らないが、競技団体は、国民のスポーツや教育に責任をもって、不可解なことは、撤去しておかないと、スポーツの将来に問題を残さないか。
 現に、箱根駅伝の伴走も廃止したではないか。
 このような奇妙なことは、長続きすることはないと思う。そうであるなら、日本陸連は、率先してやるだけの見識をみせて欲しい。