日本維新の会にとって、明治憲法復活は「ありえない」話か

 10月10日の毎日新聞によると、「東京維新の会」が、現行憲法を無効として戦前の大日本帝国憲法の復活を求める請願に、4日の都議会で賛成していたことが分かり、橋下代表が「ありえない」と苦言を呈し、今後の連携を見直す考えを示した、とある。毎日新聞は、橋下の反応として、

日本維新は憲法改正を掲げているが、橋下代表は「憲法破棄(の立場)は取らない。大日本帝国憲法復活なんてマニアの中だけの話だ」と批判した。

と報じている。
 「維新の会」の連中とは、そんなものだということが、少しは見えた、つまりあほうだということが見えたのは、よいことだとしょう。
 あわてて橋下は、「マニアの中だけの話」とするが、前にも言ったが「維新」などということ自体が、「マニア」じゃないのか。
 「維新」などと唱えるのは、それは「昭和維新」の連中だけだろう。昭和維新の連中は、帝国憲法も無視して、軍隊を使って、ほぼ無防備の首相官邸などを襲撃し、主要な閣僚を殺した連中だ。明治維新を推進した人たちは「維新」などとは言わない。昭和「維新」の連中は、明治憲法でさえ邪魔だったのだ。
 弁護士だという橋下徹は、内田樹の指摘(内田のブログ参照)にもあるように、政治や法律についての常識が欠如している。半端じゃない。たまらなく大阪弁護士会も橋下を処分をしたことがあるが、最高裁がまた、非常識な判決を出している。日本は司法の世界では、三等国以下である(理由は言うまでもない)。つまり、国が危ないということである。
 1970年代、満州國の士官学校を卒業し、日本の陸軍士官学校留学経験のある朴正煕は、自分が確立した独裁体制を「維新体制」と言った。これは、テロの巻き添えで朴正煕夫人が命を落とし、朴正煕自身も側近に暗殺されることになった。朴正煕の暗殺は、また新たな軍事独裁を生み出した。
 橋下徹は、東京維新の会の愚直さ、あるいは率直さに困惑しているだけである。日本維新の会自体が、安部に接近するなど、基本的な「精神」において、東京維新の会と、これといった違いがあるわけでは無い。橋下たちも「マニアの世界」に留まっていて欲しい、多くの国民を巻き込んで欲しくはないのである。しかし実際には、既に多くの府民、学校、企業は巻き込まれているのである。
 橋下とか松井のようなものが教育を嬲る地域に、就職したいと思う「優秀な」人材や研究者がいると思うのか。
 太田知事時代のことになるが、タケダ薬品が、新しい研究所を大阪圏に建設するのを躊躇い、関東につくった。薬品工業は、大阪の産業の象徴である。そこに人材が、寄りつかなくなりかけているのである。
 子供の教育が心配ということでは、石原知事のもとにおける東京都も同様である。ひそかにか、あるいは大っぴらに人材が流出している。
 堺屋太一など、官僚として、どれほどの働きをしていたのかしらないが、今は、大阪潰し、国落としの旗振り爺いである。耄碌爺!反省しろ!