丸山真男が言っていたこと、そして「ぶるっとくる」

 総選挙の結果、安部と石破の記事や写真が、以前にまして大きくでるようになり、気分が滅入る毎日である。
 それで、丸山真男が、 亡くなる前年の1995年のインタビューで言ったいたのを思い出した。1995年というのは、阪神淡路大震災の年、オウム真理教の事件で騒いでいた年である。
 丸山真男は、「かつては、日本全体がオウムだったのだよ」と言っていた。今、日本全体が、そんな感じ、つまり、まわりかねる舌で、「日本を取り戻す!」という稚拙な男の政党にみんなが投票する姿が、柳条湖事件や、盧溝橋事件に乗っかっていった当時の日本、日本人の姿とダブるのかと思う。
 先日、NHK日曜美術館では、「ぶるっとくる」とかいうテーマの国立近代美術館の展示の特集をしていた。
 当方は、リアルにぶるっと来ている。
 安部の祖父の岸は、中国侵略の枢要な官僚として、戦犯の容疑濃厚であった。巣鴨監獄から出て来たみすぼらしい写真が印象的であった。かろうじて、その容疑がすりぬけた。
 孫の晋三には、その爺の姿を教訓にできる知能は全くない。戦犯は、犠牲者ではない、多くの人を殺し、国を滅ぼした者のことなのだ。投票した人でも、この舌っ足らずの犠牲者にはなりたくないだろう。