政治家が拙劣であるということ……薬剤耐性菌にやられている安倍晋三の危険度

(1)
 ほんの数年前、心身ともに政務に耐えずに政治の表舞台から退いていた安倍晋三が、総理大臣になった。
 おどろくことだが、橋下徹らの「維新(これは、2・26事件の昭和「維新」ないしは、朴正煕の「維新」体制系の維新である)の会、それに合流した石原慎太郎グループの異様な雰囲気からすれば、とにかくも自由民主党として、かつては圧倒的な与党であった政党である。よく言われているように、橋下たちの「右からの支え」のおかげで、少々バカなことを言っても、悪く響かない状況である。「日本を取り戻す!」などというとんでもないかけ声も、橋下や石原慎太郎のおかげで、マイルドな印象を受けてしまう。

(2)
 しかし、この安部という男の問題は、本当に論理的思考力も想像力も無いという、言い換えればあほうだということである。前回も、それが原因で、閉じこもったのである。
 生産の構造が出来ていないのにインフレにすれば、大変なことになった歴史については、小学生でも社会科の授業で聞いていることである。
 原発は事故だけでなく、通常の運転が、危険な使用積み燃料が、蓄積されるばかりで、その見通しが全くついていないということも小学校の授業で知っている筈である。
 安部は、小学生でも知って居る知識も、想像力も無い。安部がそのくらいの知識、想像力なら有るという証拠は、国民の誰も見たことは無い筈だ。
 安部が、一見、堂々としているのは、何も自分で考えず、「国賊」と普通の経済学者に罵られている、小泉を唆したペテン師のご注進に、全く依存しているからである。
 前回、自分があほうだということに気が付いたのがショックだったのか知らない。そうだとしたら、今回は、耐性菌にやられているから、少々の薬では聞かない強力なものの筈だ。怖いのはそれである。

(3)
 タレントが、「教祖さま」に吸い上げられ、破滅していくのは、痛々しく不幸なことである。できることならなんとかしてあげたい。幸いなことに、そういうタレントたちの場合、不幸になっているのは、ほんの少数で、周囲に好意的な人もいて、なんとか救済される可能性が高い。
 しかし、一国の宰相が、中谷とかいう共犯者でも逃亡した主犯竹中某に誑かされて(まだ国外逃亡のペテン師もいると聞く)、国民・国家ともどもに沈没するのは、願い下げだ。

(4)
 今、様々なことを思う。
 まともなジャーナリストは、どれほどいるのか。
 まともな、大学のスタッフは、どれほどいるのか。
 まともな官僚はどれほどもがいているのか。
 その点で、植草一秀の言い方は、ちょっと間違っていると思う。官僚中心の政治構造とか、官僚のありかたをどうすとか、官僚の言うままとか、官僚の仕事がまずかったのではない。この間、小泉をはじめとする、出来の悪い政治家、できの悪い「学者ども」に、優秀なまともな官僚が壊されていったという認識をもたないといけない。
 この間にも、日本の官僚の劣化は激しい。政治家が、優秀な官僚を壊していった。日本の科学・研究の体制、教育を政治家が壊していった。つまり、まともな文部官僚は壊されていった。日教組は、なんとか教育を育てようとしただけが、与党の政治家が壊しまくった。安倍晋三とか麻生太郎に教育を口にする資格があるとは誰も思わないだろう。
 どうして、漢字を書くどころか、読めない男が、宰相を指導できる。どうして、プルトニウムを理解できないのが、原発を推進するというのか。自分で考えたことではないからである。だけら、破局も想定できないのである。
 以後、安部にとっては、発生すること、すべて想定外だろう。
 今、思うのは、1920-30年代のヨーロッパの状況である。安部の政治がうまくいかないのは必至である。景気は、安部の政策とは無関係によくなる場合もある。しかし安部の政治が、大きな傷みとともに崩れることは、それは、大変な不幸である。しかし、そのあとさらに不幸になるかも知れない。

(5)
 半藤一利が、昭和史研究を展開している。NHKスペシャルで、海軍首脳の反省会のテープをもとにした番組があった。誰も責任を明確にしなかった。 天皇責任などといえば、ラジカルに響く、天皇責任といえば、政治家の責任はどうなる。
 戦後、文学者の転向問題などが議論になった。東京裁判があり、公職追放があった。しかし、本当の戦争責任の問題は、政治学でも、ジャーナリズムでも、どれほどなされたのか。
 戦後の政治、社会についての著作物が、『敗北を抱きしめて』をはじめとして、アメリカ人などの研究だったことは、日本の学問、政治、文化にとって反省材料である。