下村博文は、文部科学大臣には不適切

 安倍晋三首相が福島第1原発事故をめぐり、「状況はコントロールされている」と述べたことに関連して、福島原発事故に懸命の対応している東電の関係者が民主党の会合で汚染水漏れ問題について「コントロールできていないと考えている」と述べていた。
 関係者にすれば、危険な現場で懸命に作業しながら思うような結果な出ない状況で苦慮しているのに、何が「アンダー・コントロール」だと思うだろう。
 ちょうど、多くの戦死者、餓死者、病死者を続出していた戦争で、無責任な日本の上層部が「大本営」発表を繰り返していた戦時中の日本軍を思い出す。
 そういえば、この完全にブロックしたり、アンダー・コントロールの「大本営発表」していた男は「国防軍」を提唱していた男だった。
 ところが、下村博文文部科学相は「同じコントロールという言葉を、後で東電職員が使ったのは非常に迷惑だ」と語り、東電側を批判したそうである(毎日新聞9月20日)。
 下村文科相は、「首相が『コントロールされている』と発言した意味について『(汚染)は福島第1原発圏内に封じ込められ(これは嘘か、無知でしょう)、東京で水や食料の心配はないという意味(これも言い切れるか、しかも、東京は無関係というのは、あまりにも無神経である)だ』と説明した」そうである。
 下村は、文部科学相というより、東京オリンピックパラリンピック担当相として発言しているようだが、このような、虚言を前提にして、それは福島のことだ、東京は関係ないというような、一国の首相の発言を、教育を担当とする大臣として許容できるのか。
 下村は、生命の危険もある現場で懸命の作業に従事している人々の言葉を、大本営発表と異なる発言をするとは何事かと言っている。
 安倍晋三の旧日本軍の亡霊ぶりは論外だが、下村博文の教育を担当する大臣としては不適切極まりない。